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執筆者の写真: Goldilocks Playroom
Goldilocks Playroom
9月21日
読了時間: 13分

アーティストの未来を遠ざける「5つの落とし穴」

才能があれば、誰かの目に留まることはできる。でも、その先もキャリアを伸ばしていけるかどうかは、「どう仕事をするか」で決まります。


シンガー、俳優、ダンサー、ミュージシャン、映像クリエイター、デザイナー、ビジュアルアーティストなど、どんなジャンルで活動していても、優れた才能を持っていたとしても、チャンスを逃してしまうことはあります。


なぜでしょうか?


それは、長く続くアーティストとしてのキャリアは、才能だけでは作れないからです。

クリエイティブ業界でも大切なのは、才能だけではありません。

信頼、人間関係、プロ意識、一貫性、入念な準備、そして評判。

人々は、あなたが「何を作ったか」だけではなく、あなたと接していた時間、体験がどんなものだったかを記憶しています。


信頼できる人だったか?

時間を大切にしていたか?

周りに敬意を払っていたか?

コミュニケーションを大切にしていたか?

万全の準備をして臨んだか?

自分を支えてくれた人たちに感謝していたか?


どれだけ素晴らしい才能を持っていても、態度や行動、その振る舞いによって周囲に繰り返し負担をかけてしまえば、気づかないうちにチャンスが遠ざかっていくことがあります。


今回は、アーティストの未来を遠ざける「5つの落とし穴」と、それをどう変えていけばいいのか、代わりに身につけるべき資質についてご紹介します。


アーティスト、シンガー


1. 特権意識:「自分は才能があるから、特別扱いは当然」


アーティストにとって、自分の才能を信じ、自信を持つことは大切です。

しかし、自信と「自分は特別扱いされて当然」という考え方は、まったく別のものです。


自信は、

「自分には何ができるか、何をもたらせるのか」を理解している。

一方で、思い込みや特権意識は、

「自分には才能があるんだから、周りは自分を優遇するべき。」という考え方。


この違いは、アーティストとしてのキャリアに大きな影響を与えます。


自分の才能を過信している人は、必要な努力を十分にしなくても、大きなチャンスが与えられると期待します。また、現在の実績や市場価値、経験、予算、需要などを理解しないまま、「もっと高いギャラをもらうべき」「もっと評価されるべき」と考え、期待した評価が得られないと、不満や不安を抱くことになるのです。


こんな場面を想像してみてください。

2人のアーティストが、同じプロジェクトのオーディションに参加しました。

Aさんは極めて高い才能を持っていますが、遅刻し、オーディションの進め方に不満を漏らし、「オーディションなんて必要ない。自分の実力は誰もが知っている。」と言います。


一方、Bさんも同じくらいの才能があります。Bさんは早めに到着し、準備を整え、周囲に挨拶をし、プロジェクトに貢献する姿勢を見せています。

その現場にいた人々は、どちらの人と「また一緒に仕事をしたい」と記憶するでしょうか?


もちろん、才能は重要です。でも、一緒に仕事をしたときの経験も同じように重要です。

あなたの才能は、あなたの大切な資産ですが、それは誰かに特別扱いを要求するためのカードではありません。


次のように不満を抱くのではなく…

  • 「なぜ自分を認めてくれないのか?」

  • 「なぜチャンスを掴めなかったのか?」

  • 「なぜもっと高い報酬をくれないのか?」


次のように自問してみてください。

  • 「自分にはどんな改善の余地があるか?」

  • 「自分はどんな価値を提供できているか?」

  • 「このチャンスを掴む準備ができていることを示せているか?」

  • 「周囲の人々との関係をより良くするために何ができるか?」


自信に「謙虚さ」と「学び続ける姿勢」が組み合わさったとき、あなたのキャリアは大きく成長します。



シンガー、アーティスト

2. 周囲への配慮:他者の時間や努力の大切さ


クリエイティブ業界は、ある意味で人と人との信頼関係で成り立つビジネスです。


音楽や芸術の仕事をしていれば、プロデューサー、ディレクター、ミュージシャン、カメラマン、エンジニア、デザイナー、マネージャー、アシスタント、ライブハウスやスタジオのスタッフ、クライアント、他のアーティストなど、本当に多くの人と関わることになります。


そして、その一人ひとりに、それぞれの予定、仕事、責任、優先順位があります。配慮に欠ける振る舞いは、あなたが思うよりも早く、そうした関係を損なう恐れがあります。


具体的には、次のような行動が挙げられます。

  • いつも遅刻する

  • 理由や連絡なしに人を待たせる

  • メッセージを何日も放置する

  • 事前の連絡なしに計画を変更する

  • 重要な資料を締切直前に送る

  • 一緒に作った人々の貢献を認めない

  • 不必要なトラブルを起こす

  • 他者の時間や労力を、自分自身のものより価値が低いものとして扱う


具体的な例を挙げてみましょう。

午後2時からレコーディングが予定されています。

 

プロデューサーがスタジオを予約し、エンジニアも準備が完了。

一緒に演奏するミュージシャンも、その日のためにスケジュールを調整して集まっていました。

 

ところが、アーティストの到着は2時45分。事前の連絡もありませんでした。

 

アーティスト本人は、「たった45分」と思うかもしれません。

しかし、その45分によって複数の人の予定に影響します。


問題は、単純に「45分遅れた」ということだけではありません。

その行動によって、

「あなたたちの時間より、自分の時間の方が大切だ」

というメッセージを与えてしまう可能性があるのです。

 

これが何度も続けば、

「もう、この人とは仕事をしたくない」

と思われてしまうこともあります。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

相手の時間、努力、そして立場を尊重すること。

遅れそうなら、できるだけ早く連絡する。

予定が変わったら、事前に伝える。

誰かが自分の活動をサポートしてくれたなら、その貢献をきちんと認める。

 

そして、「ありがとう」という一言を軽く考えないこと。

 

アーティストは、一人だけでキャリアを作っているわけではありません。

 

誰かが、あなたを紹介してくれた。

誰かがスタジオを手配してくれた。

誰かがポートフォリオを手伝ってくれた。

誰かが、あなたの作品を宣伝してくれた。

誰かがアドバイスをくれた。

誰かが、あなたのために時間を使ってくれた。

誰かが、誰よりも先にあなたの可能性を信じてくれた。

 

こうした人たちの存在を認識することは、弱さではありません。

プロフェッショナルとしての姿勢であり、人としての感謝です。

 

あなたが部屋に入った瞬間から、「評価されている」と意識していないときでさえ、あなたの印象は少しずつ作られています。



チームワーク、仲間

3. 言葉に行動が伴わない


クリエイティブな仕事で築ける最も大切な資産の一つが、信頼です。

そして信頼は、自分の言葉と行動が一致しなくなったとき、少しずつ失われていきます。


例えば、

「金曜日までにデータを送ります。」

金曜日になっても、何も届かない。

「明日には必ず送ります。」

翌日になっても、まだ届かない。

 

そんなことが続けば、周りの人は少しずつあなたの言葉を信用しなくなります。

 

もちろん、クリエイティブな仕事には予想外の問題が起こることがあります。

締切に間に合わないことが、一度もあってはいけないという意味ではありません。

本当に問題なのは、約束を守れないことが、パターン化してしまうことです。

 

空約束より、信頼される行動。

 

例えば、5日間必要なのに、「相手をがっかりさせたくない」という理由で、3日間と約束するのは適切ではありません。現実的なスケジュールを伝えましょう。

 

そして、その約束を守るための仕組みを作ります。

  • 締切をカレンダーに入れる

  • リマインダーを設定する

  • 大きな作業を小さなタスクに分ける

  • 問題が起きたら締切前に相談する

  • 守れない約束をしない

  • ミスをしたら言い訳を重ねず、きちんと認める


完璧である必要はありませんが、「この人が約束したなら、ちゃんとやってくれる」

と思ってもらえることは、大きな財産になります。


アーティストとして「才能がある人」と知られることも大切です。

しかし、「信頼できる人」として知られることも、同じくらい価値があります。



4. リスペクトを欠く:不必要に縁を切らない


一緒に仕事をするすべての人を好きになる必要はありません。

すべてのクリエイティブ上の判断に賛成する必要もありません。

すべての批判やフィードバックを受け入れる必要もありません。

それは普通のことです。

 

重要なのは、意見が違っても、プロフェッショナルとしてコミュニケーションがとれること。

 

リスペクトを欠く行動には、分かりやすいものもあります。

  • 人を侮辱する

  • 相手を見下す

  • 怒鳴る

  • 傲慢な態度を取る


しかし、もっと分かりにくい形で現れることもあります。

  • 相手の話を何度も遮る

  • 話を聞かずにアイデアを否定する

  • フィードバックを最初から受け付けない

  • 相手の肩書きや立場によって態度を変える


例えば、経験豊富なサウンド・エンジニアと若いアーティストが一緒に仕事をしているとします。

エンジニアが、ある部分でアプローチ方法を提案しました。


アーティストは、

「あなたは僕の音楽を分かっていない。」

と返します。

 

もしかすると、本当にエンジニアの提案がアーティストの意図と合っていないのかもしれません。

それ自体は問題ではありませんが、プロフェッショナルな伝え方には色々な方法があります。


「提案してくれた意図は分かります。今回はもう少し違う雰囲気を出したいと思っているので、別のアプローチも試してみてもいいですか?」

 

意見は同じ。

でも、コミュニケーションのとり方がまったく違います。


そして覚えておきたいことがあります。

今、目の前にいる人が5年後、10年後にどんな存在になっているかは誰にも分かりません。

今日あなたをサポートしてくれているアシスタントが、将来プロデューサーになるかもしれない。

今日一緒に仕事をしたカメラマンが、将来あなたに大きな仕事を紹介してくれるかもしれない。

今は駆け出しのアーティストだった人が、将来重要なポジションに就いているかもしれない。


しかし、それ以上に大切なことがあります。

人に敬意を払うべき理由は、その人があなたに何をもたらすかではありません。

プロフェッショナルであることは、誰かに従うことではありません。


それは、大人としての態度で対話し、失う必要のない関係を守るということです。


準備、リサーチ

5. 準備不足と「やりたいだけ」で終わってしまうこと


「アーティストになりたい」と思うことと、

「アーティストとしてのキャリアを築くために行動する」

ことには、大きな違いがあります。

 

多くの人は、アーティストになることに憧れます。

しかし、その裏側にある地道な努力や習慣まで好きになれる人は、決して多くありません。

 

準備は、時間に余裕があるときだけするものではありません。

準備も仕事の一部です。


ライブに出演するなら、リハーサルをする。

レコーディングするなら、自分のパートを理解しておく。

オーディションを受けるなら、役柄やプロジェクトについて調べる。

作品を見せるなら、ポートフォリオを整えておく。

新しいコラボレーターに会うなら、相手の活動を理解し、自分が何を実現したいのかを考えておく。


準備したからといって、必ずチャンスを得られるわけではありません。

 

例えば、2人のシンガーが同じプロジェクト資料を受け取ったとします。

Aさんは資料を一度だけ確認して、

「まあ、現場で何とかなるでしょう。」という状態でやってきました。


一方で、Bさんはプロジェクトの内容や条件、参考資料を確認し、自分が何を提供できるのかを考えた上で現場に来ました。


では、準備したBさんが必ず仕事を獲得できるでしょうか?

いいえ。


そこは重要なポイントです。

 

オーディションや仕事の結果には、自分ではコントロールできない要素もたくさんあります。

ただし、準備をすることで、

「自分が持っている力を最大限に発揮できる状態」

に近づくことはできます。

 

逆に、準備不足は、その可能性を自分自身で狭めてしまうことがあります。

モチベーションがなくなったときに、本当のコミットメントが始まる。


毎日、やる気があるわけではありません。

華やかではない仕事もあります。

オーディションに落ちることもあります。

努力しているのに、なかなか結果が出ない時期もあります。

やりたくない作業をしなければならない日もあります。


プロフェッショナルは、モチベーションだけに頼りません。習慣を作ります。

誰も見ていないところで練習する。


魅力的に見えない仕事でも、きちんと取り組む。

「もう十分知っている」と思っても学び続ける。

なぜなら、継続することはアーティストキャリアの「おまけ」ではなく、キャリアそのものの一部だからです。


音楽スタジオ、レコーディングスタジオ

アーティストのキャリアは「才能」だけでは決まらない


あなたのアーティストとしての能力は、もちろん大切です。

それは間違いありません。

でも、あなたのキャリアは、周りの人があなたと仕事をしたときにどんな経験をしたかによっても作られていきます。

 

少し、自分自身に問いかけてみてください。

自分は、人から信頼される人だろうか?

相手の時間や努力を尊重しているだろうか?

言っていることと行動が一致しているだろうか?

意見が違うときでも、プロフェッショナルに対応できるだろうか?

チャンスがあった時、十分な準備をしているだろうか?

自分を支えてくれている人たちの存在に気づき、感謝しているだろうか?

 

もちろん、一晩ですべてを変える必要はありません。

誰でも失敗します。

目指すのは完璧になることではありません。

自分自身に気づき、成長し、プロフェッショナルになっていくことです。


あなたの才能が、誰かに見つけてもらうきっかけになることはあります。

でも、その人が「また一緒に仕事をしたい」と思うかどうかは、あなたの仕事の姿勢、コミュニケーション、準備、協調性、そして人との接し方によって変わります。


そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

アーティストのキャリアは、一人では作れない


成功しているクリエイターの後ろには、多くの場合、たくさんの人がいます。

先生。

講師。

メンター。

プロデューサー。

マネージャー。

エンジニア。

アシスタント。

コラボレーター。

友人。

家族。

スタッフ。

ファン。

そして、あなたの可能性を信じてくれた人たち。

 

その人たちは、自分の時間、知識、経験、アイデア、応援、そしてチャンスをあなたに与えてくれています。

だからこそ、その貢献に気づき、感謝することが大切です。


そして、ときには本当にシンプルな、

「ありがとうございます。」

という一言が、あなたが思っている以上に大きな意味を持つことがあります。

 

あなたのキャリアは、あなたが「何を作ったか」だけで作られるのではありません。

それを作り上げる過程で、あなた自身がどのような人間になっていくか、という点にも基づいています。

 

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そう思うことは、キャリアのスタート地点です。


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Goldilocks Playroom

音楽、レコーディングから、音楽制作、そしてアーティスト育成まで

📍東京都新宿区高田馬場

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